ダンボール戦機

子供のころ，自分で作ったSDのガンプラを改造と称して他のガンプラの手足を入れ替えたり，無駄にピンバイスで穴開けたりしたことないですか？そしてそのオリジナルガンプラを動かして遊んだり・・・このアニメはそんな幼少期を思い出させてくれる作品のような気がします．といっても完全に子供向け作品ですが．まあ，私が見たこのアニメの印象ですが，コレです．素敵ですよねモノクル．いったいどうやって顔についてるんだかわかりませんが，紳士のたしなみですよね？




2046年．．．と，アニメは舞台の説明からはじまる．強化ダンボールの発明で世界の物流は革新的な進歩を遂げた．このナレーションの後に，飛行機から投棄される荷物・・・落下と同時にズドーンという衝撃と巻き上がる土煙，よってくる受取人？たち，箱を開けると・・・無傷な液晶テレビらしきものが．なんでも強化ダンボールとは，衝撃の80％を吸収するダンボールらしい．で，当然のように疑問が生じちゃったのさ．大人って良くないね．『吸収できない残り20％で中身壊れねぇ？』というのと，衝撃吸収できる素材なら，『なんでロボットの装甲が強化ダンボールじゃないの？もっというと，車も飛行機もダンボールでいいじゃない』特に後者なんか，ネウロのダンボールおじさんが非常に喜びそう．この人ね．



『吸収できない残り20％で中身壊れねぇ？』

---

実はこれが今日の本題．すっごくいい加減に調べてみました．航空機（旅客機ですが）の飛行時の高度は10 km程度のようです．次に荷物の質量です．こちらもいい加減に調べてみるとSony32型ブラビアが大体9 kg，強化ダンボールは調べようがないので計算の都合上荷物＋ダンボールで10 kgとしますか．これから，もんのおすごい雑な計算をしますね．

①運動エネルギー保存則
高校物理ですね．ここでは単純化するため荷物を落下させた瞬間の荷物の速度は0 m/sとします．つまり，上空で荷物が有している運動エネルギーは位置エネルギーだけということですね．計算面倒になるので，重力加速度の値も10 m/s^2としますよ．

位置エネルギー = mgh =10 * 10 * 10000 = 10^6 J

ですね．これが地面との接触の際に80%吸収されるそうなので，残り 2 * 10^5 Jですね．接触後，ダンボールはバウンドもしてませんし，開けた際に変形もしてなかったようですから，おそらく残りは熱エネルギーに変換されたのですかね？スペシャルなダンボールは無事でも中身は溶けませんか？

②力積
運動エネルギー保存則で衝突直前の速度を計算しましょう．位置エネルギーが全て運動エネルギーに置き換えられるので，速度は，

10^6 = 1/2 * 10 * v^2
速度v = √(2 * 10^5) = √(20) * 10^2 ≒ 450 m/s (時速1620 km/hすごい速いですね)

実際はどうかしりませんが，仮に衝突にかかる時間（荷物が落下して停止するまで）が10^-2秒とし，荷物にかかる力（地面からの反力）をFとすると，

mv' - mv = F * 0.01

ですね．これは運動量保存則によるもので，雑な説明をすると『基本的には保存される運動量ですが，変化するには外力が必要で，変化の大きさは外力とその力が加わった時間に関係する』という意味です．右辺はエネルギーです．左辺のv'は衝突後の速度なので0 m/sですよね．なので，

- mv = 0.01F

で，エネルギーは何故か80％は吸収できるようなので，残りは20%．あと，左辺のマイナスは地面鉛直下向きをプラス方向と定義したことによるもので，箱にかかる負荷だけを考えたいなら無視できるので，マイナスをとっちゃいますね．となると，箱に加わる力Fは，

mv = 0.01F * 0.2
10 * 450 = 0.002 * F
力F　= 2250000 kgm/s^2

やっぱり，箱の内部は粉砕されませんかね．